フリーランス(個人事業主)なら知っておきたい!効果的な節税・税金対策|
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フリーランス(個人事業主)なら知っておきたい!効果的な節税・税金対策

収入はすべて自分のものにはなりません。私たちには収入から定められた額を納税する義務があります。しかし、納税額を適正な方法で節税できる制度もあります。

そこで、フリーランス(個人事業主)の方の合理的な節税の方法を考えていきます。


フリーランス(個人事業主)向けの効果的な節税・税金対策

フリーランス(個人事業主)の方が、収入を得たとき収める税金には、国に納める「所得税」と都道府県、市町村に一括して納める「住民税」があります。

納税額を計算する一般的な式は、

(式)収入-(経費+所得控除)=課税所得金額 課税所得金額×税率=納税額

となります。

この式の「経費+所得控除」の金額を適正に増やせれば、おのずと納税額も減るというわけです。

まずは、経費と所得控除についてお話します。

経費とは、事業で収入を得るために支払った、事務所の家賃、水道光熱費、パソコン購入費や文房具などの消耗品費、交際費や交通費などの費用のことです。

また、所得控除とは、控除の対象となる扶養親族が何人いるかなどの個人的な事情を加味して、所得税や住民税の納税額を計算するときに、控除、つまり差し引くことのできる14種類の項目のことです。その中には、納税する人すべてが対象になる所得税38万円・住民税33万円の基礎控除や対象者が絞られる控除項目もあります。

ここでは、フリーランス(個人事業主)の方にとって、経費を計算する上で節税効果の高い青色申告と、日々の記帳や所得控除の全般を検証した「節約」の方法、それに所得控除のうち「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と「小規模企業共済」に、的を絞ってお話を進めてまいります。

 

なお、所得税と住民税とで、上述のように控除金額が違う項目もありますし税率も違います。また住宅ローン減税などの税額控除にはここでは触れません。その他、事業の内容、規模や収益により、別途、消費税や個人事業税の納付も必要となります。

 

参考:やさしい必要経費の知識/所得税のしくみ(ともに国税庁タックスアンサーより)

 

■青色申告

まず、事業で発生する経費を節約するのに青色申告の利用を考えてみます。

事業所得や不動産所得のある方は、確定申告を青色申告制度ですれば、所得金額などの計算をする際に節税が期待できます。

ただし、この制度の優遇を受けるには、開業から2カ月以内かその年の3月15日までに、「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署に提出することです。

(参考までに、個人事業を開業するときは、事業開始等から1カ月以内に「個人事業の開廃業届出書」を所轄税務署に提出が必要です)

 

青色申告には、主に4つの特典があります。

(1)青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、収入から経費を引いた所得金額から、さらに最高65万円又は10万円控除される制度です。65万円と10万円特別控除の違いは下記の通りです。

<65万円控除の要件>

・事業や不動産の所得にかかわる取引を正規の簿記つまり複式簿記で記帳すること

・記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書(青色申告決算書)を確定申告書に添付して、法定申告期限(通常3月15日)内に提出すること

以上2点の遵守が必要です。

なお、不動産所得で65万円の特別控除の対象になるのは、5棟(借家・店舗)以上または10室(アパート、マンションなど)以上または50台(駐車場の契約台数)以上の「事業的規模」の契約が必要です。ご自身の不動産事業が「事業的規模」に当てはまるかは所轄の税務署で確認してください。

<10万円控除の要件>

65万円控除の要件に該当しない青色申告者が対象です。帳簿も簡易的な記帳(簡易記帳簿)

でも良いことになっています。

 

(2)青色事業専従者給与

生計をともにしている配偶者その他の親族が事業主の経営する事業に従事して、事業主がこれらの人に給与を支払うことがありますが、これらの給与は原則必要経費にはなりません。しかし青色申告者の場合は、一定の要件で実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例があります。

この特例を受けるには、通常「青色申告承認申請書」を税務署に提出するときに同時に「青色事業専従者給与に関する届出書」も提出します。

なお、ここで支払う給与の額は、一般的にその事業に従事する従業員に支払う額と同額程度で、過大な部分は必要経費には認められません。また、青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける方は、確定申告の控除対象配偶者や扶養親族にはなりません。

 

(3)純損失の繰越しと繰戻し

事業所得などに損失(赤字)あり、他の所得と損益通算しても控除しきれない金額(純損失)が生じたときは、その損失額を翌年以後3年間繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。

また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。

 

ここまでの特典について、白色申告との違いを聞かれることがありますので表にまとめておきます。

白色申告も簡易的な記帳は必要ですので、青色申告の方が納税額が減ることは確かです。

(※)令和2年(2020年)分の確定申告から青色申告特別控除65万円の適用要件が変更になります。

 

(4)少額減価償却資産の特例

事業のために購入した物品は、基本その年の経費として計上します。しかし、原則として使用可能な期間が1年以上、取得価格が10万円以上のものは、その年の経費に全額計上するのではなく、「減価償却」として物品ごとに国が定めた「法定耐用年数」の年数に渡り経費として計上します。

青色申告者の場合は、取得価格が30万円未満であれば、「少額減価償却資産」として、購入した年に全額経費として計上できます。ただし、取得価格の合計は300万円以下までです。

また、取得価格が10万円以上20万円未満のものは、一括償却資産として合計額を3年間均等償却できます。

一括償却や1年で償却したほうが、通常の減価償却より各年の経費計上額が大きくなり、所得を少なくする効果があります。

参考:青色申告制度/減価償却のあらまし(ともに国税庁タックスアンサーより)

 

■節約

次に、節約について考えてみます。

まず記帳の節約効果についてです。

フリーランス(個人事業主)の方の中には、普通預金や定期預金口座ごとに、事業と家計を兼用している方もいます。このような方が事業の記帳をするとき、事業収入の把握が煩雑になるでしょうが、自宅が事務所であれば水道光熱費を事務所と家計とで税務上家事按分が必要です。つまり、日々事業の記帳をすることで大まかな家計簿の役割も果たし、事業と家計の無駄を見つけ各々の節約につながるのです。

 

次に、所得控除と節約についてです。

所得控除の金額が多くなれば納税額の節約ができます。また、住民税を基に保険料が算出される、国民健康保険の支払額の節約にも効果があります。

所得控除の項目である、国民年金や国民健康保険の保険料、民間の保険の保険料などは、控除に必要な書類が自宅に送付されてきます。また、医療費控除では、市販のかぜ薬なども控除の対象になりますので購入したときのレシートの保管が必要です。またこれらの書類の中には、確定申告時に添付する書類もあります。

このように所得控除には、書類を整えることで控除が受けられる項目もあります。

 

他にも、フリーランス(個人事業主)の方の退職金の貯蓄や、老後の生活の資金準備、または資産形成をするための資金などを対象とする所得控除の項目もあります。

それではその具体例を「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と「小規模企業共済」でみていくことにします。

 

■個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、毎月一定の金額を積立てする一種の年金で、税制の優遇があります。資金を積み立てていくことを、掛金を拠出といい、掛金拠出の休止・再開はいつでも可能ですが、60歳になるまで引き出すことはできない制度となっています。

税制上の優遇については、

①積立てた掛金がその年の「所得控除」の対象となり、所得税・住民税の節税ができます

②運用で得た定期預金利息や投資信託運用益などが「非課税」になります

③受け取り方法が年金の場合は「公的年金等控除」、一時金の場合は「退職所得控除」の対象になり、ここでも節税が可能です

なお、掛金拠出(積立)中の確定申告での所得控除の項目は、小規模企業共済等掛金控除の欄になります。

 

では、個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用する方法と注意点をお話します。

まず専用口座を開設が必要です。口座を開設したら、その金運機関(運営管理機関)が用意している定期預金・保険・投資信託といった金融商品をご自身で運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。

フリーランス(個人事業主)の方の場合、掛金は月額5,000円以上、1,000円単位で増やすことができ、上限は月額6万8000円です。 別途、国民年金基金や付加保険料に加入している方は合わせて6万8000円が限度です。また、国民年金保険料が未納の月は掛金を納めることはできません。

 

また個人型確定拠出年金(iDeCo)の運用をするには、関係機関に次のような手数料がかかるので、金融機関(運営管理機関)や運用商品を決める前に確認しましょう。

・国民年金基金連合会:加入資格の取得税込2,777円(初回のみ)、掛金引落し、その他、必要な事務費用として、掛金納付の都度税込103円、掛金の還付が発生した場合は税込1,029円

・運営管理機関:口座管理、運用、その他必要な事務費用

・事務委託先金融機関:積立金の管理、給付にかかる事務費用

運営管理機関、事務委託先金融機関によって費用は異なりますから各機関に確認が必要です。

また、投資信託を運用するときは、運用商品ごとに運用期間中、信託報酬などの手数料がどのくらいかかるのか確認しましょう。

国民年金基金連合会にかかる手数料は掛金から、運営管理機関にかかる手数料は積立てた資産(個人別管理資産)から差し引かれます。

 

つまり、運用して節税効果を得るためには、運用する商品ごとの

・積立総額

・手数料支払総額

・その金融商品の運用利回りを何%と想定してその受け取り利息額

・運用益の節税額

・運用から受け取りまでの節税額

をシミュレーションして、ご自身の運用商品のラインナップを作成し、この金融商品で運用してもよいのか判断することが大切です。

参考:iDeCo(イデコ)公式サイト

 

■小規模企業共済

次に、小規模企業共済です。

小規模企業共済とは、小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために掛金を積立てる制度です。

掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除が可能ですし、共済金(解約手当金)にも税の優遇制度が使えます。また、事業資金の借入れ制度もあります。

掛金は、月額1,000円から7万円まで(500円単位)で選択できます。

共済金(解約手当金)については、共済金(解約手当金)について、独立行政法人 中小企業基盤整備機構のサイトを参照してください。

小規模企業共済は、フリーランス(個人事業主)の方にも適した、節税にも役立つ「退職金制度」といえます。しかし、掛金納付月数が240カ月(20年)未満で任意解約をした場合は、掛金合計額を下回ります。また貸付制度の利率など、制度の内容を吟味して加入することも必要です。

 

■経営セーフティ共済

最後に経営セーフティ共済にも触れておきます。中小企業倒産防止共済制度のことで、取引先事業者が倒産したとき、自らの企業が連鎖倒産や経営難を防ぐ制度です。

掛金月額は、5,000円から20万円まで(5,000 円単位)、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れが可能。掛金は必要経費に算入できる制度です。

参考:経営セーフティ共済

 

まとめ

事業収入や必要経費など日々取引を記帳して事業の収支を把握しつつ、無駄な出費をなくすこと。また毎年期限内に様々な税制優遇制度を利用しながら確定申告して納税することは、合理的な節税対策であり、また事業の発展に結びつくことを、ご理解いただけたと思います。


この記事を書いた人

牧野寿和(まきのひさかず)

自らを「人生の添乗員®」と名乗り、相談者とその家族が描いた「人生の行程表」通りの人生が歩めるように、実現可能なプランニングと実行サポートを行いながらその方の人生に寄り添っていく、創業16年の独立系ファイナンシャルプランナー。

地元の青色申告会で役員を務めた経験もある。

(保有資格:CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)

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